国道32号旧道 吉野川橋
明治44年に架けられ、当初の架橋位置に現存する道路トラス橋としては国内最古。
33.787184, 133.698755 [周辺図]
2020 3/16
とある橋の前にやって来ました。
良い雰囲気...。
少し移動して横から見てみます。
ででん!
でででん!!
錆びていて良い雰囲気。
中央のトラスはプラットトラスで、
その手前は..."ボウストリングトラス"というらしいです。
wikipediaを見ると ”ボウストリングトラス (Bowstring truss) とは、上弦と下弦がそれぞれ弓(ボウ)と弦(ストリング)のような形状となっているもの。" とあります。
この橋、トラスにも目が行きますが、
煉瓦の立派な橋脚が堪らんのです!!!
はぁ、ついに来たんだなぁ...。
この橋は見ての通り、塞がれていて渡れません。
ちょっとだけ失礼して、柵に近づきました。
上弦材と上弦材を繋ぐ支材?から鉛直材に斜めに繋がる部材は何ていう名前だろう。
橋門構の上には扁額が付いてます。
吉野川橋
扁額が割れてますね。
当初の架橋位置に現存する道路トラス橋としては国内最古らしいです。
そして近代土木遺産Aランク。
ボウストリングトラス。
どうやら"ピントラス"構造といい、"各部材の結合がピンによってなされている構造"らしい。
下弦材は"アイバー"と呼ばれる部材らしい。
また一つ覚えた。
バイクに乗って対岸に来ました。
(旧)吉野川橋、右岸側。
ボウストリングトラスの大きさが対岸と全然違います。明らかに長い。
吉野川橋
向こう側の扁額と同じく右書きですね。
プラットトラスの下弦材がぐにゃりと曲がってますが、歴史的鋼橋集覧によると"1954(昭和29)年9月左岸橋台付近が地滑りし、橋台が移動、橋体破損、廃橋とし下流約200mに(新)吉野川橋を架設。”とあるので、"橋体破損"はこれの事なんでしょう。
対岸にいた時、こちら側に河川敷に降りられそうな階段を見つけたので行ってみます。
下流側の謎の広場に来ました。
横から見ると、美しい弧を描いているのが分かります。
そして、中央のプラットトラス。
......なんというか、こう、立派な橋脚。
航空写真を見ると、この辺に階段が... あっ、
ありました。
足跡がありますね。
橋好きか、異様な雰囲気に魅せられた人か...。釣り人?
ヌッ!
普段は橋が綺麗に撮れないので逆光は嫌いですが、とても美しく感じる......。
左岸の橋脚はコンクリート、橋台は煉瓦。
橋脚の基礎は石垣。
右岸の橋台も煉瓦。積み方はイギリス積みかな?
神々しい...。
それにしても...
なんて立派な橋脚なんだ!!!
橋脚も橋台と同じようにイギリス積み。
橋脚の一番下側が水流によってなのか、削れて滑らかになっています。
竣工から100年近く経つとこんなに削れてしまうんですね。
橋脚のすぐ横の岩に、丸い穴が空いています。
建設時に使った作業用の骨組みを刺してた穴、とか?
橋脚の下側はコンクリート(モルタル?)で固められていて、何故か煉瓦が埋まっています。
どう考えても埋まっている煉瓦は構造上必要無い物ですよね?余った煉瓦をそのまま埋めたとか?
見上げると、大きく立派な橋脚。
歪んだ下弦材もよく見えます。上流側の下弦材は歪み過ぎて端柱と重なって見えませんが。
真下から見たプラットトラス。
下弦材のアイバーがまるでケーブルのように見えます。
こっちにも穴が空いてました。
もう少し上流に移動します。
ボウストリングトラスの斜材が外れてますね...。
水面に映る吉野川橋。
はぁ、いつまででも見ていられます。
ここで水切りでもして遊ぼうかと思いましたが、小さい石がどこにもない(T_T)
ウッ!
岩に沿ってカットされた煉瓦のこの感じ...良い!
(煉瓦の上からコンクリートが被さっているようにも見えなくはない...)
ああ、堪らん...。
さて。バイクの所に戻りますか。
ん?
なんでこんな所に、煉瓦が?
ここに何かがあった訳じゃないだろうし...。
積み方はイギリス積みかなぁ?
あれか、ここで煉瓦を積む練習をしたのか。んな訳ないか...。
あれか、これまた余った煉瓦を使って「この岩の煉瓦は俺が固めたんだぜ☆」って自慢するためか。
......何だろう。
明治44年に架けられ、当初の架橋位置に現存する道路トラス橋としては国内最古。そして近代土木遺産Aランクの吉野川橋。
この雄姿が見られるのは、いつまでなのでしょうか......。